このブログでも何度かご紹介しましたように、テーラー神谷では月に一度、定休日を利用して研修会を開催しております。

今月は業界の重鎮である職人の先生をお招きして、テーラー（縫製）技術の勉強会を行いました。



きれいに落ちて前に振れる袖付けとは？

日本人に多い前肩をしっかりと仕立てるには？

ボリューム感とシェイプを持つ美しいシルエットを生み出す芯作りとは？

平面である生地や副資材を、立体的な洋服へと生まれ変わらせる技術の数々。



祖父の代から80年以上やってきた、より良い服作りのために学ぶということを、私の代でもしっかりと受け継いでいきます。

新型コロナウイルスの影響を受け、弊店も厳しい状況が続いております。

そんななかでもご来店いただける皆様にご満足いただけますよう、一着一着を大切に仕立てたいと思います！！

秋冬シーズンが立ち上がりました。

皆様のご来店をスタッフ一同、心よりお待ちしております。



 

 
今年の梅雨は晴れる日が多い感じがします。

気温も30度を超える日が出てきて、夏の到来を感じさせますね。

そんななか、例年通りとまではいかなくとも多くのお客様にご来店いただいており、本当に感謝しております。

お客様に春夏物スーツやジャケットをご提案していると、自分も新しく欲しい！となります。笑

というわけで、夏物BESPOKEスーツを仮縫い♪



カッター（裁断士）が補正を入れてくれて、テーラー（縫製士）が縫い上げます。



フランネルで有名なFOX BROTHERSの夏物服地はハリがあって、仕立て映え間違いナシ！

今から出来上がりが楽しみです。

スーツやジャケットを着る機会が減っているからこそ、新しい服を仕立てる時にはちょっと良いものが欲しくなっています。（自分に対する言い訳かもしれません。笑）

「コロナで控えてたけど、そろそろ新しい服欲しいな…」というお客様、ご来店をお待ちしております！！

 
日本のテーラーは、和装が洋装に変化していく過程でどんどん数が増え、

その後、工場生産のリーズナブルな商品が市場に増えていくにつれ、高額なオーダースーツを提供するテーラーはどんどん減少してきました。

イギリス、サヴィルロウに代表される、熟練した職人たちが自社内で製図から縫製まで行うオーダーショップというのは、世界的に見ても本当に少なくなっています。

元々「オーダー」と「フルハンドメイドフルオーダー」と「テーラー」は、同義語の様に扱われてきたため、

「オーダー」と言えば、職人が手縫いで作る高級品、というイメージがあります。

そのせいか、「オーダー」や「テーラー」という単語を使って、さも技術ある職人が1着全てを作っているように謳っているお店がまだまだあります。

（もちろん、正直に工場縫製のイージーオーダー、パターンオーダーとちゃんと表現しているお店もたくさんあります。テーラー神谷でも工場縫製のオーダースーツをリーズナブルプライスでご提案！）

技術ある職人が何十時間もかけて、丁寧に作り上げるスーツはどうしても高額になってしまいます。

それは、その職人さんの高い技術（によってのみ出来上がる素晴らしいスーツ）への対価だと考えております。

見せかけの単語だけでそれを混同され、職人の技術によるスーツが安価に手に入るような表現のせいで、本物のフルオーダーフルハンドメイドのお店や職人が減っていかないように、これからもお客様にしっかりと価値を伝えていきたいと思います。



残念ながらコロナ禍でご注文は減っておりますが、今日もテーラー神谷の工房では職人さんたちが手縫いで仕立てております。



服の根幹を作る芯地をお客様に合わせて整えたり…



縫う前に手アイロン、縫ってる途中で手アイロン、縫い終わっても手アイロン…



袖付け、裾まつり、ボタンホール…etc…etc…すべて手縫いです。

職人の技術が可能にする「型崩れしない保形性」、「立体的な服が生み出す高級感」、「美しいシルエットによる品格」

1着2万円、3万円のスーツを毎年買い変えていくのではなく、1着20万円、30万円のスーツを大切に10年着る。

そうした価値をご提案していきたいと思います。

春の新作が店頭に揃い始めました！

皆様のご来店を心よりお待ちしております！！