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連載第10回!白洲次郎から学ぶスーツスタイル!
2009年7月19日 10:00
中部経済新聞にて連載中の連載「世界の著名人から学ぶスーツスタイル」
神谷昭一郎専務の執筆も順調です。
今回は「白洲次郎」。
今年2月、NHKドラマでも取り上げられましたね。
戦前、戦後の活躍は勿論、ファッションでも名を馳せた氏のファッションを読み解きます!
この連載も残すところ3回となりました。読者の皆様には楽しんで頂けているでしょうか?
今回は初めて日本人を取り上げたいと思います。
戦後占領下の日本において連合国側と渡り合い、GHQをして「従順ならざる唯一の日本人」と言わしめた「白洲次郎」。
彼の服装に対する考えや姿勢を取り上げながら、最近の日本におけるスーツスタイルを考えます。
「白洲次郎」は車にも、ウィスキーにも、そして服にも一流を好み、それらを使いこなしたといいます。
また、彼のスタイルは“オシャレ”というものではありません。
ファッショナブルなコーディネイトや、トレンドのカラーや小物を使っているのではなく、それぞれのアイテムを当たり前に着こなしているのです。
しかし、それが本当にカッコいい。
もし読者の皆様が彼の写真を何枚かご覧になった経験があれば、私の言っていることをおわかり頂けるでしょう。
派手なトレンド色、流行のシルエットやアイテムといったものを利用しなくても、オーソドックスなものを当たり前に、そして自分流に装うという着こなしこそ、最もカッコよく映るのかもしれません。
英国紳士の教養を持つ「白洲次郎」の考えは“紳士は服装によって判断される”といったものでした。
すなわち、着ているものがその人間の内部を映し出すということです。
「見た目で人を判断するな」という考え方も確かにあります。
しかし、彼は外見がちゃんとしていない人間が中身をしっかり出来るものかという考えでした。
そのように、“何を着るかは、何者であるかと同義”と考えた彼が選んだスーツは英国サヴィル・ロウにあるヘンリー・プールのオーダースーツです。
その人の為だけに作られるフルオーダーのスーツ(英語ではビスポークスーツと言います)は、やはり一流の品だということでしょう。
スーツだけでなくジャケット等もサヴィル・ロウで仕立てていたことも付け加えておきます。
ここで彼の有名なエピソードを紹介しましょう。新婚当初のある夜、自宅で夕食をとる時に、妻に向かって「ネクタイをしていなくて失礼」と言ったそうです。
まさしく紳士の言葉です。
現代の生活からは想像も出来ないのですが、昔の英国の上流階級では、食事の際に、同席者に敬意を払う為、背広を着てネクタイを締めるマナーがあったのです。
ここで私が触れたいのは、彼が普段はスーツに必ずネクタイを締めていたことと、「ネクタイを締める」という行為に対する意味です。
クールビズも定着し、カジュアル化が進んだこの時代だからこそ、ネクタイというものの重要性が増していると私は考えます。
社会的地位が高い方。
教養のある方。
人前に出る機会の多い方。
大切なお客様を相手にするお仕事をされている方。
これからは、こういった人々にのみネクタイが必要となるのかもしれません。
先ほど述べました「白洲次郎」の考え方=“何を着るかは何者であるかと同義である”が正しいとするならば、ネクタイを締めるという意味は何でしょう?
ネクタイを締めるということは、相手に敬意を払うという意味です。言い換えればネクタイを締めるという行為で、“私はあなたに敬意を払っています”ということを表しているのです。
クールビズ真っ盛りの今だからこそ、大切な人に会う時はネクタイを締めませんか?
そして“紳士は服装で判断される”ことを念頭に出かけられてみてはいかがでしょうか。
自分のなかにプリンシプルが形成されていくに違いありません。
<中部経済新聞 2009年 7月18日掲載>
イギリスが生んだスーパースター?! ベッカム氏の着こなし
2009年7月 7日 10:00
弊社専務、神谷昭一郎が筆を取る、中部経済新聞ウィークエンドコラム「世界の著名人から学ぶスーツスタイル」。
第9回は、デビッド・ベッカム氏を取り上げております。
メディアで取り上げられることも多い氏のスタイルの秘密を読み解きます!
歴史的著名人、映画俳優からデザイナーに至るまで、様々なスーツスタイルに焦点を当ててきましたが、今回は英国が生んだ天才サッカープレイヤーが題材です。
プレーだけでなくルックスでも世界的人気を誇る「デビッド・ベッカム」のファッションを取り上げることで、ここ数年のセレブファッションのトレンドとスーツスタイルの関係について触れたいと思います。
皆さんはセレブファッションの情報発信源でもある「デビッド・ベッカム」のファッションをご存じでしょうか?
イメージした時にどんな服装が思い浮かぶでしょうか?
彼は様々なスタイルでメディアに登場していますが、多くの方が頭に浮かべるのは“真っ白シャツに黒のフォーマルジャケットを着て、ダメージデニムと高級ドレスシューズ”というようなコーディネイトではないでしょうか。
最近でこそドレッシーなジャケットにジーンズのコーディネイトは一般的にも定着しつつありますが、初めてそれを目にした時のインパクトは忘れられません。
「なぜフォーマルなジャケットにデニムを合わせるの?」
「しかもジーンズに革靴!?」
誰しもが一瞬の戸惑いを覚え、そして「でもカッコイイ…」と感じたのです。
この上半身をドレス、下半身をカジュアル、足元をドレスといった組み合わせや、もしくはクラシックスーツ(ドレス)を着ながらインナーはデザインシャツ(カジュアル)、靴はスニーカー(カジュアル)といった組み合わせを「ミックススタイル」と呼びます。
ここ数年間、セレブ達が様々なシーンで着こなしを披露した為、一気に一般社会にも定着しました。
フォーマルジャケットにミリタリーパンツを合わせたり、パーカーやTシャツにジャケットを重ね着するのは、もはや驚くべきコーディネイトではありません。
それではこのミックススタイルを着こなす為のポイントは何でしょうか?
それは言葉通り、「ミックス感」です。
たとえばカジュアルなポロシャツにブルゾンを着て、ジーンズを合わせて靴だけドレスシューズ。
これではミックス感が足りません。
またクラシックスーツにドレスシャツとドレスシューズ。
ただノーネクタイにしただけではこれもミックス感が足りません。
一部分のアイテムを足したり引いたりするのではなく、上半身×下半身、アウター×インナーといったバランスの良いミックスさえ出来れば、“ベッカム様”風セレブコーディネイトは完成です。
ただし、これらはあくまでちょっとしたパーティ等で私服として楽しむスタイルであって、間違ってもビジネスシーンや公的なパーティには向かないという点にはご注意を。
もちろんセレブ達も、“ドレスアップ”があってこその“カジュアルダウン”だという事を良く分かっています。
“ベッカム様”は実は正装スタイルもとても見事に着こなすのです。
このあたりの“使い分けセンス”も品があり、カッコいいわけです。
ここで私が最も伝えたかったのは、スーツをカジュアルダウンとして着こなすトレンドが発生したという事です。
もちろん今までもスーツやジャケットを普段着として着こなす人々はいましたが、日本でここまで一般化したことはないのではないでしょうか。
私共のお店でも、仕事ではスーツやジャケットを着ない職業の方々が遊び着としてスーツを注文して頂ける例が増えています。
「Tシャツにジーンズ」では決して出すことの出来ない雰囲気である“装う”チカラをスーツは持っています。
そして接する人々に対して、言葉に出さない敬意を表するのです。
このチカラをセレブが見逃さず、自分達のカジュアルシーンに活かし、それが普及しているのがミックススタイルのトレンドだと私は考えています。
会社でスーツの着こなしがカッコよくても、休日のお出掛けはいつもポロシャツにチノパン。
これではちょっと寂しい感じがしますし、下手をすれば“ごく普通のお父さん”的な扱いをされかねません。
いつも着慣れているドレスアイテムにカジュアルアイテムをコーディネイトし、子供には真似の出来ないオトナのミックス・カジュアルスタイルで次の週末は出かけられたらいかがでしょうか。
周りの視線が変わること、受けあいです。
<中部経済新聞 2009年7月4日掲載>
アナン前事務総長…ジャストサイズの国際的ビジネススタイル!
2009年6月21日 10:00
弊社専務 神谷昭一郎が執筆する、中部経済新聞コラム「世界的著名人から学ぶスーツスタイル」
第8回目は、前国連事務総長のコフィ・アナン氏です。
在任中から、氏のスタイルがメディアで取り上げられているのを私も見た覚えがあります。
ジャストスタイルの極意を、ぜひご一読下さい!
前回は“特徴的なスーツスタイル”としてアルマーニという人物に焦点を当てましたが、今回は王道の中の王道「クラシックスーツ」を着こなす人物にスポットを当てたいと思います。
その人物とは前国連事務総長の「コフィ・アナン」氏です。
彼のスーツスタイルは様々なスタイリストやメディアから絶賛を博しています。
「服装から彼のセンス、国際感覚やリーダーシップの高さ、感性の高さが伝わってくる」
「いつもきりっとしていてカッコイイ。仕事の出来るエグゼクティブという雰囲気が漂う」等、例を挙げればきりがありません。
では彼がスタイル抜群のモデル体型で、誰もが振り返る二枚目かと問われれば、決してそうではないでしょう。
またスーツやシャツ、ネクタイ等のアイテムや色使いがいかにもトレンド的でファッショナブルかと言えば、決してそうではありません。
アナン氏のスーツの着こなしを一言で言えば、これこそビジネススーツに求められる「究極のジャストサイズスタイル」です。
やや撫肩気味の体型をカバーする肩線の入れ方と肩巾、適度にシェイプされたウエスト、カフスが少しだけ覗く袖丈の長さ、長すぎず短すぎない上着丈…
これら全てが一つになって“体型に合った美しいスーツ姿”を生み出し、それを見る人々に畏敬の念を抱かせるのです。
私が昨年、ロンドンのギーブス&ホークスで修行している時に、チーフカッターが「デザインやシルエットを決めるのはトレンドではない。お客様の体型だ」と言っていた事を思い出します。
クラシックスタイルを追求すればジャストサイズに行き着きます。
サヴィルロウのテーラー達やクラシコイタリア協会のメンバー達が最終的に行き着く場所もジャストサイズのクラシックスーツなのです。
それこそがビジネスシーンでは最も必要な要素かつカッコイイということになるのではないでしょうか。
また彼のコーディネイトもシンプルでクラシックなものです。
ダークスーツに白いシャツ、無地や小紋のネクタイをして、ちょっとした小物などにトレンドのカラーやアイテムを取り入れています。
端正な立ち振る舞いもあいまって、知性や誠実さが伝わってきます。
「シンプル イズ ベスト」なんて聞き飽きた言葉かも知れませんが、アナン氏の着こなしを見れば納得できると思います。
体型に合ったスーツを見つけるには自分自身のことを良く知らなくてはいけません。
一方でどんな相手にも感性の高さを伝えるには個性の強すぎる着こなしは厳禁です。
その点を考えればコフィ・アナン氏のスーツスタイルとは自分自身を良く知ること、相手を気遣うことから生まれていると私は考えます。
ビジネスシーンにおいて「あなたは一体、何の為にスーツを着てネクタイを締めるのか?」
その答えの一つが彼のスーツスタイルに潜んでいると思われます。
<中部経済新聞 2009年6月20日掲載>
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