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2024.7.8

オーダースーツの生地の種類

ファッションアイテムを大きく分けると、「素材」と「仕立て」に分けられます。

料理に置き換えると分かりやすいかもしれません。

料理人の腕はとても大切ですが、料理の味は、料理人の腕だけでなく素材にも大きく左右されます。

逆に、先に素材があり、それをどう調理するかが、料理人の腕とも言えるでしょう。

スーツの生地選びは、見た目の印象だけでなく、着心地や耐久性にも影響を与えるため、非常に重要です。

本記事では、スーツ生地の種類にはどんなものがあるのか、主な生地をピックアップして、それぞれの特徴とメリットをご紹介します。

 

1. ウール

ウールはスーツ生地の中でも最も一般的であり、オールシーズンで使用される素材です。

ウールだけでブログが書けますが、長くなりすぎてしまいますので、今回は簡単に全体像として素材を見ていきたいと思います。

(コラム風ブログ始めてからこんなことばかり言っている気がしてきました。笑)

・特徴

通気性: ウールは天然繊維で通気性が良く、体温を調節してくれます。

耐久性: 耐久性が高く、長期間使用しても形状を保ちやすいです。

快適性: 柔らかく肌触りが良いため、長時間の着用でも快適です。

吸湿性: 吸湿性が高く、湿度を調整する効果があります。

・メリット

繊維の性質上、アイロンによる熱処理を加えることで、生地が立体的に変化し、その形状に定着させることが可能です。

そのため平面である生地を、人間のフォルムに合わせた立体的な服を仕立てることが可能となります。

テーラーの職人技術が活かせるのもウールの良いトコロです。

 

2. コットン

コットンはカジュアルなスーツや夏用のスーツに多く使用される素材です。

・特徴

通気性: 非常に通気性が良く、夏の暑い時期でも快適に過ごせます。

軽量: 軽量で動きやすく、日常のビジネスシーンに適しています。

手入れの簡便さ: 洗濯が容易で、家庭での手入れがしやすいです。

快適性: 柔らかく肌に優しい素材で、長時間の着用でもストレスが少ないです。

・メリット

素材が軽量なため、服の着心地を軽くすることが出来ます。

そして水洗い等選択可能なものが多いので、汗ばむ季節に向いている素材です。

平織りにしたり、綾織りにしたり、デニム地にしたり、と様々な織り方や混紡素材に用いることで、色々な表現が可能となります。

 

3. リネン

リネンは主に夏用のスーツに使用される素材で、その独特の風合いと涼しげな見た目が特徴です。

・特徴

通気性: リネンは非常に通気性が良く、汗をかいてもべたつかず涼しいです。

軽量: 非常に軽量で、夏の暑い時期でも快適に過ごせます。

吸湿性: 吸湿性が高く、汗をすぐに吸収して乾燥させるため、常に快適な着心地です。

・メリット

通気性の良さと吸湿性の高さから夏向き素材で使用されることが一般的になっていることと、素材感やシワ等のリネンが持つ独特の風合いから、夏の季節感を出すことができます。

夏のスーツやジャケット、パンツ等にリネン素材を着用することで、オシャレ感をグッと高めることが出来ます。

 

4. ポリエステル(化学繊維)

ポリエステルは合成繊維で、ウールやコットンに比べて価格が安いのが特徴です。

・特徴

耐久性: 非常に耐久性が高く、しわになりにくいです。

手入れの簡便さ: 洗濯が簡単で、乾きも早いです。

価格: ウールやコットンに比べて価格が安く、手頃なスーツを探している方に最適です。

・メリット

ポリエステルに代表される化学繊維は多くの種類があります。

天然繊維に比べて、総じて安価なものが多いことに加え、シワにならないものや、ストレッチ性のあるもの、丈夫なもの、といった機能性が高いものが多く、使いやすい素材です。

5. シルク

シルクは非常に高級な素材で、特別な場面でのスーツに使用されることが多いです。

・特徴

光沢: 独特の光沢があり、高級感を演出します。

滑らかさ: 非常に滑らかで、肌触りが良く、快適な着心地です。

通気性: 通気性が良く、体温調節に優れています。

・メリット

シルクの持つ光沢感は他の素材に出せない雰囲気があり、服に高級感と美しさを与えてくれます。

反面、デリケートな素材であり、生地が伸縮しないため、同じサイズで仕立てると窮屈さを感じることがあり、取り扱いやサイジングに注意が必要な素材です。

 

6. モヘア

モヘアはアンゴラヤギの毛で作られた高級素材で、光沢があり耐久性に優れています。

特徴

光沢: 美しい光沢があり、高級感を演出します。

耐久性: 非常に耐久性が高く、長期間使用しても劣化しにくいです。

通気性: 通気性が良く、快適な着心地です。

・メリット

モヘアと聞くと、ニットを連想される人が多い素材ですが、スーツ地に用いる際は、その通気性の良さから、春夏素材として使用されます。

一方で、他の素材には無い光沢感を持ち、ハリのある生地となるため、フォーマル服地にも使用されます。

ウールとモヘアを混紡してバラシア織りにした「モヘアバラシア」は、燕尾服やタキシードといった礼服に伝統的に用いられています。

7. カシミア

カシミアはカシミアヤギの毛で作られた非常に高級な素材で、柔らかさと暖かさが特徴です。

・特徴

柔らかさ: 非常に柔らかく、肌触りが良いです。

暖かさ: 保温性が高く、冬の寒い時期に最適です。

軽量: 軽量でありながら保温性に優れています。

・メリット

コートやマフラーに用いられることが多いですが、スーツ地としても使用されます。

一頭から取れる毛の量の稀少性もあって、一般的に高価なイメージが定着しており、実際に質の良いカシミアはとても高級品です。

「カシミア」とひとくくりにするのが憚られるほど、超一流のカシミアは高額となるものの、そうしたカシミアが持つ光沢感、ぬめり感は他と一線を画します。

 

まとめ

スーツ生地の種類は多岐にわたり、それぞれに独自の特徴と利点があります。自分のライフスタイルや使用目的、季節に合わせて最適な生地を選ぶことで、快適でスタイリッシュなスーツライフを楽しむことができます。生地の選び方次第で、スーツの印象や着心地が大きく変わるため、自分に合った素材を見つけることが重要です。

 

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